【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
そして希望が見えたのは、それから2週間経った時のことだった。あの日から俺は、若葉さんのために懸命に働くことを決めた。若葉さんがまた笑ってくれるかもしれない。頑張ってと。だから俺は、無になってただひたすら事件の捜査に追われた。
犯人を捕まえるため。そして一人でも多くの人が幸せになることを願うため。犯罪がなくなればいいのにと思う気持ちを忘れないように。
「はい。もしもし。川畑です」
事件の捜査中、俺のスマホに電話がかかってきた。電話に出ると、それは病院からだった。
「私、石田総合病院の看護師をしています。村田です!川畑さん、すぐに病院に来てください!……笹木さんの意識が、戻りました」
「え?……本当ですか?」
「はい!なのですぐに来てください!」
「はい!」
俺はすぐにタクシーを呼び石田総合病院へと向かった。ただひたすらに会いたいという気持ちしかなかった。早く声が聞きたい。早く抱きしめたい。そんな思いを胸に、病院へと向かった。