【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
【プロポーズのその先】
side若葉
「笹木さん?」
「………ん」
「笹木さん?聞こえますか?」
「……ん……?」
「笹木さん?聞こえてますか?」
頭の中で聞こえる女性の声。それは何度も聞こえた。同じ言葉で、同じ声で、何度も聞こえてきた。
そしてその声に反応して、あたしはゆっくりと目を開けた。目を覚ますとそこに広がっていたのは、白いカーテンに囲まれた景色と。そして医師や看護師の人たちの顔。
……ここはどこ?あたしは何でこんな所にいるの?どうしてここにいるの……?
目を覚ますと訳の分からない世界が広がっていて。そこにあるのは真っ白な空白のような世界。ふと周りを見渡すと、点滴やいくつかの医療器具が設置されていて。あたしはそこのベッドで横になっていた。
そして心拍数や脈が表示された機械と、呼吸器がついている。その状況を判断するまでに、かなり時間がかかりそうだった。
「笹木さん?分かりますか?」
その言葉にあたしは、小さくこくんと頷いた。