【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「ちょっと失礼しますね?」
先生らしき人があたしの目を開けて瞳孔の動きを見ていた。そしてすぐに「うん。正常ですね」そう言った。
「……あの、ここは……?」
あたしは回らない頭をフル回転させるため、最初に静かにそう口にした。すると先生は「ここは病院だよ」そう言った。
なんであたし、病院にいるの……?全然思い出せない。そして分からない。何がどうなっているのか。なぜあたしは、こんな所で寝ているのか……。何も全く思い出せない。
「まだ意識を取り戻したばかりで、混乱しているようだね?」
「え……?」
「……あなた、何があったのか、覚えていないのね?」
「どういう……ことですか……?」
先生や医師を見ながらそう言ったあたしを見て、看護師さんはこう言った。
「あなた、車の事故に遭って緊急搬送されたのよ。……小さな女の子を助けようとして、咄嗟に前に出て庇ったのね」
「……事故……?」
「そうよ。安心して。女の子は無事よ?」