【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
side裕太
「若葉さん!まだ動かない方がいい」
「大丈夫です……」
若葉さんは目を覚ましたばかりなのに、もうベッドから起き上がった。それすら大丈夫なのかとか、不安になってしまう。
「……裕太さん」
「なんだい?」
「もう少し……顔をよく、見せてください」
若葉さんは俺の頬に手を当てて、撫でるように見つめた。その表情は、いつも見ていたあの若葉さんの表情で……。忘れもしない。俺の大好きな若葉さんの姿だ。
「裕太さん……。心配かけて、ごめんなさい」
若葉さんは涙目になって、俺にそう言った。
「……ううん。本当に、本当に無事でよかった。……生きててくれて、ありがとう」
俺は若葉さんを優しく包み込むように抱きしめた。若葉さんは前から細いけど、事故に遭って眠っていたから、さらにやせ細っている気がした。
頬も少しやつれて、そして色も白い。ますます心配になってしまう。
「裕太さん……ありがとう」