【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 彼はそっと、名刺を渡してくれた。

 その名刺を見て、驚いた。

 「……え?え!?そ、捜査一課!?」

 「はい。僕は捜査一課の刑事です。何かお困りなことがあったら、いつでもご連絡ください」

 「……あ、はい」 

 「帰り、大丈夫そうですか?」

 「はい……大丈夫、です。一人で帰れるので……」

 「そうですか。……無理をせず、気を付けてお帰り下さい。では、僕はこれで」

 「あ、ありがとうございました」

 彼はそのまま、背を向けて帰っていった。
 
 そ、捜査一課の刑事だったんだ……!
  
 でもちょっと、かっこよかったな……。

 名前は、【川畑裕太】さん。

 いくつだろう……。あたしより年上なのかな?
 
 それとも、年下なのかな?
  
 雰囲気としては、あんまり歳はあまり変わらなそうだけど……。

 ただ、刑事ということもあって、やっぱり優しい人だった。

 ……でもよかった。カバンも無事だったし。

 あたしは病院を出ると、そのまま家に帰った。

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