【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「あ、それ私です」

 「え?あなたですか?」

 「はい」

 「その話、詳しく聞かせて頂けますか?」
 
 「え?あ、はい……構いませんけど?」

 事件の前日にふたりが目撃していた所を見ていた女性が、その日のふたりの様子を教えてくれた。

 「あの日私、ちょうど残業を終えて帰宅する途中でした。その会社の裏にある喫煙所で、ふたりが口論していたんです。……別れ話なのかは、その時は分かりませんでしたけど」

 「それで?」

 「だけど彼女、その後彼に向かってすごく泣き叫んでいて……。彼はそんな彼女を置き去りにするかのように、立ち去って行ってしまいましたけど……」

 「なるほど。……他には何か、気になることなどありましたか?」

 「他に……ですか?」

 「彼女の話だと、被害者には他に好きな女性が出来たと話していたそうなんですが、その女性に心当たりはありませんか?」
  
 「え?いや……分かりません」

 「そうですか。ありがとうございます」

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