【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
side裕太
「すみません。警察です。……少しお話伺ってもいいですか?」
「え?あ、はい」
「この男、見てませんか?」
「……いえ、見てませんねぇ」
「そうですか。ありがとうございました」
「お役に立てなくて、すみません」
「いえ」
現在、殺人事件の重要参考人である男を追っている。
しかし、手がかりは防犯カメラに写っていた姿だけである。
背格好からして身長は約170〜175cmくらいで、細身の男だということ。
しかしフードを被っていたため、顔は見えず。
被害者は26歳の女性。自宅で首を締められたことによる絞殺であることから、最初は自殺かと思われたのだが、凶器であろうタオルから犯人と思われる指紋が検出されたため、他殺であると判断され捜査本部が設置された。
しかし前科はなく、犯人の特定には未だ至っていない。防犯カメラの映像だけでは、やはり犯人を見つけるのは困難なため、周辺の人物で疑わしい人などがいないかをあたった。