【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「いや、しかし……」
「あたしなら、大丈夫です。こんなかすり傷、どうってことありませんから」
「……本当に済まない。犯人を捕まえたら、必ずまた君に連絡するよ」
「え?」
「気を付けて行くんだぞ!」
「え?あ、け、刑事さん……!」
刑事さんはネクタイを緩めながら勢い良く走っていった。
「……川畑、裕太さん」
相変わらずカッコイイ人だったな……。
あの走って行く姿を見て、本当に彼は警察官なんだなと思った。
あんなにカッコイイ刑事さんがいたら、人目につくし、みんな好きになってしまうだろうななんて、考えてしまった。
……って!あたしは一体何を考えてるんだろう!?
そんなこと考えてしまうなんて、おかしい。
「……あ、こんなことしてる場合じゃない!」
買い出しの途中だったんだっけ。
思い出したあたしは、立ち上がって急いで買い出しへと向かった。
また川畑さんからの連絡を、密かに待って。