【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「……はい。すみません……でした……」

 柳田は、そう呟きながら、静かに涙を流していた。

 俺は柳田の肩を叩くと、静かに取り調べ室を出ていった。

 こうして起きた殺人事件は、犯人逮捕となり、事件は幕を閉じた。

 「……刑事さん」

 「……藤田さん?」

 「あの、ありがとうございました……犯人を見つけてくださって、ありがとうございました」

 「……藤田さん、顔を上げてください」

 「……え?」
 
 「我々、警察の仕事は……事件を解決して、犯人を逮捕することです。そして冤罪を防ぎ、皆さんの安全と命を守ることに意味があります。……今回みたいに、犯人を捕まえるために怪しいと思う人を疑っては、調べたりしないといけません。だから今回、我々はあなたに謝罪しないといけない」

 「……え?」

 「……あなたの大切な、愛する人を守れなくて、申し訳ありませんでした」

 「……刑事さん、顔上げてください」

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