【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side若葉


 
 その日の夜、仕事を終えて帰宅する途中。あたしの電話が鳴った。

 「はい。もしもし?」

 「もしもし、俺です。……川畑です」 

 「え?……え、け、刑事さん!?」

 な、なんで刑事さんが電話に……!?
 
 「……あの後、ケガは大丈夫でしたか?」

 「え?あ、あ、はい。大丈夫です」

 「そうですか?なら、良かった」
  
 「……もしかして、心配、してくれてたんですか?」

 「当たり前じゃないですか。俺が追ってた犯人が、笹木さんにケガさせたんですから。……俺にも責任があるし」

 「そんな、気にしないでください」

 「本当に大丈夫ですから、気にしないでください。別に刑事さんのせいじゃ、ありませんから」

 「……ありがとう、笹木さん」

 「はい。こちらこそ、わざわざ電話してきてくれて、ありがとうございます」

 「いえ。心配だったので……」
 
 「優しいんですね、刑事さん」

 「え?」

 「あたしの心配してくれるなんて、優しいんですね」

< 49 / 257 >

この作品をシェア

pagetop