【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
side若葉
その日の夜、仕事を終えて帰宅する途中。あたしの電話が鳴った。
「はい。もしもし?」
「もしもし、俺です。……川畑です」
「え?……え、け、刑事さん!?」
な、なんで刑事さんが電話に……!?
「……あの後、ケガは大丈夫でしたか?」
「え?あ、あ、はい。大丈夫です」
「そうですか?なら、良かった」
「……もしかして、心配、してくれてたんですか?」
「当たり前じゃないですか。俺が追ってた犯人が、笹木さんにケガさせたんですから。……俺にも責任があるし」
「そんな、気にしないでください」
「本当に大丈夫ですから、気にしないでください。別に刑事さんのせいじゃ、ありませんから」
「……ありがとう、笹木さん」
「はい。こちらこそ、わざわざ電話してきてくれて、ありがとうございます」
「いえ。心配だったので……」
「優しいんですね、刑事さん」
「え?」
「あたしの心配してくれるなんて、優しいんですね」