【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

「そうでしょうか？……あたしは、そうは思いません」
　　
　「え？」

　「警察官は、とても立派な仕事だと思います。確かに危険がいつも隣り合わせで、とても大変だと思います。……だけどあたしは、そんな刑事さんを見て、仕事に情熱を持ってる人だなって思いました。……犯人を追いかける姿を見て、刑事ってカッコイイなって、すごいなって、本当に思いました」

　「……ありがとう、笹木さん」

　笹木さんが真剣な眼差しでそう言うから、俺は思わず微笑みが出てしまった。


　「……あ、すみません！あたし、変なこと言いましたね」

　笹木さんは慌てたようにそう言うと、ハーブティーをまた飲み始めた。

　「いや、嬉しかったよ」

　「えっ？本当、ですか？」

　「はい。笹木さんにそう言ってもらえて、嬉しかったです。ありがとうございます」

　「……いえ。本心ですから」

　ふと笹木さんの顔を見ると、リラックス出来たのか、少しだけ和らいだ表情をしていた。