【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「……そうかい?ならいいけどね」

 「心配してくださって、ありがとうございます」

 「いや、気にしないで?」

 「でもあたしは、刑事さんの方が心配です」

 「え?俺?」

 「はい。刑事さん、ここ最近事件ばかり続いてて、捜査ばかりしてるじゃないですか。……そんな刑事さんの体のほうが、あたしよりよっぽど心配ですよ。ちゃんと食べてますか?」

 「ありがとう、笹木さん。俺なら大丈夫だよ。俺の仕事は、事件をいち早く解決して犯人を逮捕することだから。こんなの日常茶飯事だよ」

 「だからこそ、心配なんです」

 「え?」
 
 「刑事さん、最近全然お店に来てくれないし……。今度またふたりでお茶しようって約束したのに、全然行けそうにないですし……」

 「いや、それは……済まない」

 「いえ、いいんです。……だから、今度の事件が解決して落ち着いたら、必ずお茶しに行くと約束してください」

 「……もちろん。約束するよ」


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