【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「マジだ。じゃ、よろしくな?」
「はぁ……」
事件が解決したとはいえ、俺たち警察の仕事はそれだけで終わらない。
事件の報告書を書いて提出しないとならないのだ。
取調べによる自供の内容、動機、全てを偽り無く書く必要があるため、これがまた特に大変だ。
そして報告書を書いていた時、ふと思い出した。
1週間前にたまたま捕まえたひったくりの犯人に抵抗し、怪我をしたあの女性のことを。
……あの女性、あの後大丈夫だったかな。
一人で帰れると言っていたけど……。
少しだけ心配していた。
やっぱり、家まで送ってあげた方がよかったのか……?
まぁ名刺も渡したし、何かあればまた連絡してくるだろうと思い、そこまで気にしないことにした。
―――だけどまさか、あの女性と再会することになるとは、この時の俺は全く思っていなかった。
だけど俺は、もしかしたらきっと、彼女のことがどことなく心のどこかで、気になっていたのかもしれない。