【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「…………」

 俺は何も言うことができなかった。

 「……そいつ、裁判で自分はやってないって。俺は無罪だって、そう訴えたんです。ふざけてますよね。……家族を失って絶望に突き落とされたあたしは、どうしても納得がいかなかった。だけど最終的に、アイツは無期懲役での服役が決まって、刑務所に入った。……なのにそいつまで死んで。本当に絶望的だった」

 笹木さんは、涙を流しながらそう言って、拳を握りしめた。

 「……あたしの家族を、返してほしいって。ずっと願っていました。そんなこと望んでも仕方ないってわかっていたけど……」

 「……辛かったね、笹木さん。話してくれて、ありがとう」

 「……すみません。こんな話、してしまって……」

 「いや、いいんだよ。話してくれて、ありがとう。……警察官として、やっぱり俺は君を守ってあげないとって、思ったよ」

 「……え?」

 「君のことを、守りたいんだ。これから先も」




 
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