【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「彼女は父親だけでなく、母親まで……」

 壮絶な人生を生きていたんだな……。明るくて元気なイメージがあったから、全然わからなかった。

 彼女はずっと一人だったんだ……。両親もいなくて、たった一人で生きてきたんだな……。

 「……やっぱり、俺が守ってやらないと」

 彼女のことを、俺が守ってやらないといけない。そう思った。

 警察官としてじゃなく、一人の男として、守ってやらなきゃいけないと、思った。

 これからは俺が笹木さんを守る。悲しい想いはさせない。

 彼女がずっと笑顔でいれるように、俺が彼女のそばで、笑顔にしてやらないとって、なぜだか強く思ってしまった。

 きっと俺の心の中を、そんな気持ちにさせるこの気持ちの正体は……。

 「……恋」

 俺はきっと、彼女に恋をしているんだ。いつの間にか、彼女のことを考えるようになって。彼女のことを守りたいと思うのは……。これが、きっと恋をしているからなんだ。

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