【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「……あの、刑事さん」
「はい」
「……その、この前は、本当にすみませんでした……あんなこと、してしまって」
「いえ、気にしないでください。……俺も、君にそうしてしまったので」
「……はい」
気にしないでくださいと言われても、気にしてしまうよ。だって付き合ってもない女性からキスなんかされたら、当然引いてしまうに決まっている。
本当にバカなことをした……。
「……笹木さん」
「はい……?」
「20年前の事件について、俺なりに調べました。うちの署に、当時の捜査資料が残っていたんです」
「……え?」
「すみません、また混乱させるようなことをしてしまったかもしれません。……だけど少しでも、君のことについて知りたくて。君の役に立ちたいと、思って。……すみません、本当に」
「……そう、ですか」
「詳しく見ました。当時の捜査資料を。……読んでいて俺も、悲しい気持ちになりました」