【完結】モンスター撲滅委員会
「しかし。お前が。……趣味でガキ連れ回すとはな」
「いい香りだねえ」
カウンターの向こうからテーブルに置かれたオムライスは
食べる前からそれが美味だということを物語っていた。
五感のすべてから伝わってくる。
……このオムライスが、絶品であると。
「そよちゃん、ヨダレでてるよ」
「えっ」
「うっそー」
「もう……!」
「お前ら黙って食えや」
こんなに美味しい料理を食べたのは、いつぶりだろう。
「泣いてんの?」
気づけば目に涙がたまっていた。
「あれ。なんでだろう」
「泣くほど美味しかったってさー。よかったね。ママ」
「誰がママじゃ」
「……どうしてでしょうか。初めて食べるのに、家庭の味って感じがして。ほんとうに美味しいです」
「おかわりもあんぞ」
「あーっ、照れてる」
「ママって呼ばれる理由がわかりすぎました! ママ……!」
「テメェまで呼ぶな!」