【完結】モンスター撲滅委員会
名は、つぐみちゃん。10才。
少女がお店に入ってくるとき
茶色く長い髪が、サラサラとなびいていた。
「そんなわけで去年の冬以降。月に一度、あの子をここに呼んでる」
とても大人しい子で
出会ってそろそろ20分たつ頃だけれど、一言も声を聞いていない。
「……それじゃあ」
声をひそめ、カイくんに問いかける。
「つぐみちゃんは、イジメられていて。……そのイジメっ子たちを。カイくんたちは――」
「まあ。そう急かさないでよ」
そう、だよね。
こんな話、本人のそばでするものではない。
ショウくんのときは例外だったけれど
カイくんが狩りをしていることは、表向きには知られてはいけないこと。
狩りを終えたカイくんは
つぐみちゃんに近づくことも、なくなってしまうのかな。
「あの子はね。耳が、ほとんど聞こえない」