【完結】モンスター撲滅委員会


――――?


「キミが過ちを犯す前に、止められた」


男の言葉が理解できない。


ゆっくりと顔をあげてみると


男は、どういうわけか
わたしに微笑みかけていた。


(……とめ、た?)


「知ってる? 万引きってのは。店内にいるうちは、非常に立証しにくい案件なんだ」


どういうこと?

この男は
わたしの万引きを阻止したの?


「イイワケされたら、どうしようもない。あとで会計するつもりでした、とかね。だから、捕まえるなら万引き犯が店から出たところを抑えなくちゃいけない。もっとも。店先に商品が並んでいるタイプの販売店の場合――敷地の外までおよがせた方がいいかな」


……見逃して、くれるの?


「初めてでしょ」

「え?」

「万引きしようと思ったのは」


当たり前だ。

万引きなんて、したくなかった。


商品にお金を払うのは当然だ。

いくら欲しくても買えないものを強引に手に入れようとは思わない。


男の言葉に頭を縦に振ろうとしたら


「――というよりは」


男が、続けた。



「万引きを“強要”されたのは」

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