いつか夏、峰雲の君
その時僕が語った四文字のありふれた言葉は、丁度通った除雪車の音にかき消されることになる。
永遠より長い2分13秒、彼女にその言葉が届いたかは分からない。僕はただ玄冬の空の下で、涙を流す夏希の手に寄り添っていた。
まるで僕たち二人だけが、この地球に生きているかのように感じた。
その時の僕たちは、確かに寄り添いあっていたのだ。青い僕と、白い夏希。二人は空を流れる雲と青空の様に……
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