イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「こ、黒彩ですよね?」
「いや、普通に黒染め」
即答されて、私は絶句する。
なんで、そんな、こと…。
「なんでも似合って困るわ」
そんなことを言う会長を、見つめると。
ん?と優しく、鞄を差しだされて。
自分の目に、涙が浮かぶのが分かった。
――『普通の生活で…、普通の恋が、したいんです。それなのに、目立って、噂されて、どんどん…』
私が、あんなこと、言ったからだ。
でも。
だからって。
「…これでちょっとは目立たない。生徒会長は辞められねーけど」
なんでそこまで、するの?
気づいたら、やっぱり私は泣いてしまっていて。