イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「調子にのらないでほしいなって思ってる。みんな」
そう言われて、なにも言えずにいると。
「…俺の意思だけど」
背後から声が聞こえて、振り返ると会長がいた。
同じ班の人たちは、突然現れた会長の姿に驚いて声を失っている。
ファンクラブの子たちも、私に向かって話していた女の子も。
「…君、ファンクラブの子?」
会長が聞くと、女の子は頬を赤らめて頷く。
会長に話しかけられて嬉しいという感情と、後ろめたい感情とが、入り混じった顔。
「俺が俺の意思で黒くしたんだ」
しんと、周辺が静まりかえる。
「俺が、勝手にやったんだ。だめかな」
会長が聞くと、女の子はぶんぶんと首を横に振る。