イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
広場から離れて人気のない小道まで出ると、会長は私を振り返った。
短くため息をついて、静かな声で。
「…ああいうの、よくある?」
私は少し迷ってから、首を横に振る。
手はまだ、繋がれたまま。
「直接言われることは、ほとんどないです」
「…本当かよ」
私は頷く。
それは本当。
実際、登下校の時は会長がいるから、誰も近づいてこないし。
…そういえば。
私はぱっと、掴まれている手を離して言う。
「会長、」
「なに」
「あの、いつも私のこと家まで送ってくださったあと、学校戻ってるって本当ですか?」
「…流奈か」
会長は呟いて舌打ちをした。