イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「…さっきはありがとうございました。戻りますね」
そう言って、踵を返すと。
ぐん、と首が後ろに引っ張られる感覚に、立ち止まった。
実際に引っ張られたのは、首じゃなくて、ポニーテールで。
痛くない程度に引っ張られたそれに、私は振り返る。
「…引っ張らないでください」
「未来の思考回路はだいたい読める」
会長に言われて、私はうっと言葉をなくす。
「…俺なりにやってみるから、そんなこと言うな」
あまりに真剣な顔で言うので、私は会長を見つめてしまう。
「…意味分かる?」
私は頷くことも、首を振ることもできなくて。
ポニーテールを掴まれた情けない体勢のままでいる。
「守らせろって言ってんだけど」
言われて、涙がでそうになって、咄嗟に俯いた。