イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
簡単に、吹きとばされる。
私の小さな考えなんて。
私のくだらない卑下なんて。
会長は私のポニーテールの先を掴んだまま、それを見て、
「…未来の髪は綺麗な色だな」
そんなことを呟いた。
私の髪の色は、深いブラウン。
黒くない。
会長と同じで、地毛だ。
「会長の髪の方が、綺麗でした」
俯いたまま小さな声で言うと。
「…未来のが、綺麗」
会長はそう言って目を伏せて、ポニーテールの髪先にキスを落とした。
その姿が、あまりに絵になって綺麗で。
時間が止まったみたいに、私の目に焼きつく。
「どっち譲り?」
会長が優しく聞くので、私は目を伏せて、小さな声で答えた。