イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「桜田…俺は少し、頭を冷やしてくるよ」
副会長はそう言って、立ち上がる。
「待ってください!」
「…すぐ戻るから、採点結果、見ててくれ…」
くらくらしている副会長に渡された問題集には、軒並みバツが赤ペンで書かれている。
ばたん、
と虚しい音をたてて生徒会室の扉が閉められると、私は会長と2人きりになってしまった。
沈黙の中、バツだらけの問題集に目を落としていると。
「…見せろよ」
さっきまで副会長が座っていた向かいの席に、会長が座って言った。
長い脚を組んで私の問題集に目を落とした会長は、くすくす笑いだす。
「酷いな、これ」
「笑わないでください…!」
半泣きで訴えると、会長に頬をつままれて。
「可愛い顔してんじゃねー」
「は?!」
なにそれどういう文脈?!
人が必死になってるのに…!