イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「宗介はアホに免疫がないんだ。許してやれ」
「アホって…」
「未来は可愛いアホ」
「…嬉しくありません!」
「あっそう」
ああ、やっぱり身分が違う、つらい。
頭のいい人に、私の気持ちなんて分からないんだ…。
私がぶつぶつ呟いていると、会長は楽しそうに笑ってブレザーのポケットから小さな箱を取りだし、
「これ食べてせいぜい頑張れば」
私の口に、イチゴのチョコボールを一粒入れて言った。
私は咄嗟のことに固まってしまって。
甘味を口いっぱいに感じながら、顔を赤くしてしまう。
すると会長は、またくすくす笑って。
「だから可愛い顔してんじゃねーよ」
そんなことを言うので、私は更に顔を赤くする。
嬉しくない。
可愛いなんて言われても、嬉しくない。
ずっとそう思って、生きてきたのに。
不覚にも、嬉しくなくない、そう思ってしまった。
黒髪になった会長との普通じゃない日々は、まだ、はじまったばかり。