イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「うん」
「受験生、だよね」
「うーん」
きょうちゃんと森川は顎に手を当てて、首をひねる。
貴重な勉強時間を割いてもらって悪いことをしてしまったから、期末試験はなんとか自分で乗りきりたい。
「…でもなんかあの3人に、受験生って言葉はしっくりこないよね…」
きょうちゃんが言うと、森川が頷く。
「3年の中間の結果も、3トップはあの3人だったし」
「全国模試でも、3人ともずっと上位にいるらしいしね」
「なんか、必死な受験生とは違う気がするよな」
そう言われてみれば、3人とも塾に行っていないと流奈さんは言っていた。
必死に受験勉強をしている様子もない。
3人の口から、進路に関することを聞いたことがない。
私がいるから、気をつかって話さないだけかもしれないけど。