イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「冗談。別に2年のこの時期の成績なんて、どうとでもなるし」
「…本当ですか?」
「さあ。成績悪い時なかったから分かんねーけど」
分かんないのかよ。
心の中でツッコんだ時、いつもの曲がり角までついた。
「濡れるし、家まで送る」
会長はそう言って、アパートの下まで送り届けてくれる。
「ありがとうございました」
立ち止まって同じ傘の中で向き合うと、距離はさらに近く感じる。
雨音以外、なにも聞こえないから、2人だけの世界にいるみたいだ。
会長は左手に傘を持ち換えて、スラックスのポケットからスマホを取りだした。
「スマホ」
そう言われて、私も慌ててポケットからスマホを出す。
「連絡先、交換」
「あ…はい」