イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛

■キスしてしまいました



■SIDE透


「期末前に夏休みの話なんて、余裕だな?」


帰り道、からかうつもりで未来に言うと、未来は妙に張り切った声で言った。


「今回は、お手を煩わせません!」

「は?」

「中間の反省から、結構勉強してきたので、今回は大丈夫です!」

「へえ…」

「なので、生徒会室には行かず、家で、自分で頑張ります」


なるほどな。

どうせ俺たち3年に気をつかっているんだろう。


アホらしいけど未来らしくもある。


最近の天気予報は全然当たらないというのに、傘を持ってきていないらしい未来は、昇降口で外を見てため息をついていた。


こういう時、すぐに一緒に入れてと頼めばいいものを。


未来は自分からは絶対にそういうことを言わないから。

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