イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「入れよ」
傘を広げて言うと、目を見開く未来。
大袈裟に両手を振って、
「大丈夫です、置き傘、借りてくるんで!」
そんなことを言うので、思わず舌打ちしてしまう。
時間の無駄だから、と未来の腕を引いて傘の中に連れこむと、意外にもすんなり隣におさまった。
最近の未来は、なぜか少し大人しい。
前までなら、俺がなにを言っても教室まで走って置き傘を取りにいっていたと思う。
俺に見つかるのが嫌で、裏庭の薄汚い倉庫に隠れるくらいの女だ。
「ありがとうございます」
少し俯いて小さな声で呟く未来が、可愛くて仕方ないと思う俺はなんだ?
アホか?
病気か?
そもそも最近は妙に素直で、それにも困っているところだ。