イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
未来は、自分の気持ちを言葉にするのが極端に苦手な女だ。
言いたいことがあっても、考えて考えて、じっと黙るところがある。
だから俺は待つ。
でも未来は、なにも言わない。
…言えないか?今は。
そう思って、未来を見つめると。
未来は黙ったまま、鞄からハンカチを取りだした。
そして、俺の左肩をそっと拭く。
ただ黙って。
葛藤するような、顔で。
…思い上がりたくない。
そう思うのに。
俺は未来の手を掴んでしまう。
「なんなのお前」
振り回されている。
未来の一挙一動に。
未来は、眉を少し下げて、困惑している。
期待させるようなことして、困ってんじゃねー。
雨音を掻き消すような、衝動。
俺は、未来の唇にそっとキスをしていた。