イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


雨の中、来た道を引き返して学校に戻る。

バンッと生徒会室の扉を開けて中に入ると、テーブルには宗介と流奈がいた。


「桜田は、今回は勉強しにこないのか」


宗介が1人の俺を見て言った。


「…1人でやるんだと」


俺は投げやりに言って、窓際の会長席にどかっと座る。


「とーる、ご機嫌ナナメ?」


流奈が窺うように聞いた。 


「別に」

「未来ちんとなんかあったんでしょ?」


俺は流奈を睨む。


「睨んだってダメー。顔に書いてあるし?」

「喧嘩か?」


宗介に聞かれて、俺は首を横に振った。


「あいつは、分かんねー女だ」

「未来ちん?意外と分かりやすいよ?」


流奈が口元に人差し指を当てて言う。

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