イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「どっこが分かりやすい…」
呟いて、机に両脚を乗せ、腕を組んだ。
確かに分かりやすいところはある。
頑固だけど単純だし。
不愛想だけど純粋だし。
「あ゛ーー。抵抗しない女ってなんなんだ…」
首を後ろにガクッとして目を閉じる。
「えええ、とーる、未来ちんになにした?!」
「別になんもしてねー」
したけど。
キス。
あんなもんキスに入るか?
でも、未来のことだから、はじめてだったかもしれない。
嫌がるでも怒るでもなく、虚ろな瞳で俺を見つめていた。
あーあ、ついに手、出たな俺…。
分かりやすいようで、つくづく分からない。
ただ1つ分かるのは、そんな女を自分が、どんどん好きになっていくことだけ。