イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「未来は、アホだな」
返す言葉がない。
「…大人しく、守られとけばいいのに」
囁く会長の声。
なにも言っていないのに、すべてを察しているような声。
私はそれに、なぜかすごく安心して。
ふっと、笑ってしまった。
「なに笑ってんのお前」
会長が私を抱きしめたまま不服そうに言うので、さらに笑ってしまう。
さっきまで、あんなに泣いていたのが不思議なくらい。
だけど、会長の香りに包まれていると、原因不明の涙がまた溢れてきて。
私は泣いたり笑ったりを、会長の胸の中で繰り返した。