イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
□夏休みのはじまりはじまり
夏休みも、朝は早い。
リビングの2人掛けのテーブル、私の向かいに座ったお母さんは、まだ眠たげな顔でトーストを齧っている。
「はあ、本当、朝っぱらから暑いわね…」
テレビのニュースは連日の猛暑を伝えていた。
「アイス屋さん、繁盛してるでしょ」
「してるねー。去年より全然、忙しい」
私もトーストを齧って言うと、お母さんは私をじっと見つめて言った。
「未来、去年も言ったかもしれないけどさ…せっかくの夏休みなんだから、バイトばっかりしてないで遊びなさいよ」
黒いストレートのロングヘアーに小ぶりなピアスを両耳につけて、サマースーツをびしっと着こんだお母さんは、娘の私から見たって美人だ。
独身でも全然いける、と思う。