イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛

□夏休みのはじまりはじまり



夏休みも、朝は早い。


リビングの2人掛けのテーブル、私の向かいに座ったお母さんは、まだ眠たげな顔でトーストを齧っている。


「はあ、本当、朝っぱらから暑いわね…」


テレビのニュースは連日の猛暑を伝えていた。


「アイス屋さん、繁盛してるでしょ」

「してるねー。去年より全然、忙しい」


私もトーストを齧って言うと、お母さんは私をじっと見つめて言った。


「未来、去年も言ったかもしれないけどさ…せっかくの夏休みなんだから、バイトばっかりしてないで遊びなさいよ」


黒いストレートのロングヘアーに小ぶりなピアスを両耳につけて、サマースーツをびしっと着こんだお母さんは、娘の私から見たって美人だ。


独身でも全然いける、と思う。


< 200 / 432 >

この作品をシェア

pagetop