イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
シャープな輪郭に、丸い瞳と長い睫毛、血色のいい頬に、ふっくらとした唇。
『未来ちゃんは、お母さんに似て本当に可愛いねえ』
幼い頃から、言われ続けた言葉だ。
「別にあんたのバイト代なんてあてにしなくても、生活余裕なんだし」
「分かってるよ。ていうか、きょうちゃんも一緒だし、楽しいし、バイト」
「…ならいいんだけどさ」
「バイトなかったら、夏休みなんて本当、暇だよ?」
ため息をついてみせると、お母さんはコーヒーを一口啜って、
「彼氏は?」
唐突にそんなことを聞くので、トーストを喉に詰まらせてしまう。
ゴホゴホ咳きこみながら、私は答えた。
「そんなのいません」
「え、そうなの?あの子は?」
お母さんが意外、というように言うので、私は顔をしかめる。