イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


きょうちゃんにツッコまれた時お客さんが来て、私はせっせと注文を受けた。

昨年の夏休みも短期で雇ってもらった店なので、慣れたもの。


「カップとコーン、どっちにされますか?」

聞くと、お父さんらしき人と手を繋いだ小さな女の子はにっこり笑って、

「コーン」

と言った。


私もにっこり笑って、バニラアイスをコーンに乗せ、そっと手渡す。


「落とさないように、気をつけてね」

「ありがとう」


女の子は屈託なく笑い、お父さんに手を引かれて去っていく。


手を振っている私に、きょうちゃんはずずいと真顔で近づいてきて、


「呑気にアイス売ってる場合か?」

「バイトバイト」


苦笑いして言うと、きょうちゃんはやれやれ、と首を横に振った。

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