イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
ばっと、ポケットから取り出して、画面を見る。
きっと、違う。
きっと、違う。
そう、自分に言い聞かせて。
だけどそこには、『会長』の文字が浮かんでいて。
私は迷わず、通話ボタンを押した。
「…もしもし?」
『俺だけど』
会長の低い声が、すぐ耳元で聞こえる。
電話越しに聞く声は、はじめてだ。
「はい」
『…流奈たちと会ったらしいな?』
情報早い…。
ていうか、流奈さんたちとは連絡とってるんだ。
幼馴染、だもんね。
「ご飯食べましたよ。超おいしかったし楽しかったです」
悔しくなって、大人げないことを言ってしまう。
「羨ましいですか?」
ふふん、と笑って聞いてみると。
『お前が楽しかったならいいよ』
想像外のことを言われて、私は立ち止まってしまった。