イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「…会長も来たらよかったのに」


…来て、ほしかったのに。


『俺は忙しい』

「知ってます」

『なに怒ってんだよ』

「別に、怒ってません」

『…アイス屋は?頑張ってんの?』

「頑張ってますよ。ご心配なく」


あっそう、会長はぶっきらぼうに言うけど。

その声に、安堵の色があるのが、私には分かる。


『ま、せいぜい庶民は頑張れよ』


そう言われて、私はとっさに、


「会長!」


呼んでしまった。


『なに』

「えっと…」


電話が、切れてしまうと思ったら。


引き止めてしまった。


どうしよう、どうしよう、と考えた挙句、


『あの、会長はやっぱりアイスも、ストロベリーですか?』


そんなつまらないことを聞いてしまった。


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