イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
呆れたような短い沈黙のあと、会長が言う。
『当たり前だろ』
「ですよね。じゃあ、あの、夏風邪、ひかれないように…」
そう言って電話を切ろうとした時。
『食べにいくから』
会長が、言った。
私は何度も瞬きをする。
「…ほ、本当ですか?」
『うん、庶民のバイト見学』
「ひどい」
『嘘だよ』
「………、」
『会いにいく』
呼吸が、しづらくなる。
その言葉を、ずっと待っていた自分に、気づいて。
「はい」
そう、一言、返すだけで精一杯だった。