イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


挙手の波を見下ろす会長が、ははっと爽やかに笑うと。


今度は潮騒のように騒めきが体育館を伝播。


『なにあの笑顔、なにあの笑顔…』

『あの無邪気な笑顔は貴重…!』


そして会長が再び話しはじめると、体育館はしんと静かになる。


もはや、みんな躾の行き届いた犬みたいだ…。

でも私も同じかもしれない。


「みんな行ったなー海。いいね」


会長に振り回されて。


「…俺なんて、アイス食べた記憶しかありません」


会長の言葉に、体育館がくすくすと控えめな笑い声で満たされる中。


私は1人、顔を赤くするはめになるのだ。



…マイクをとおして辱めてくるなんて、倫理的にNGだと思います。


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