イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


始業式であんなことを言われたあと、どんな顔で会長に会えばいいのか、考えているうちに昼休みになってしまった。


「あーあー夏休み、勉強しかしてないや」

生徒会室に向かう道すがら、流奈さんが嘆いた。


「未来ちんはなんかした?夏休み」

「いえ、全然…」

「あーそうだ、後半、風邪ひいてたんだってねえ?」


流奈さんがもの言いたげな笑顔で私を見るので、私は思いきり目を逸らして答える。


「はい、えっと、夏風邪が流行してて!」

「ふうん…」

「えへへ…」


笑ってごまかそう、と笑ってみると、流奈さんは大きな声で。


「誰かさんのが、うつっちゃったのかなー?」


わざとらしく言うので、私は顔を真っ赤にする。


「いえいえ!全然!ああいうのって、流行ものですから!」

「いやらしいなー最近の若者はさー」

「い、いやらしい?!」

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