イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「ほら未来、食え」
さっきから会長が、食後のチョコボールを私に食べさせようとしてくる。
「いりません」
「ダイエット?」
「してません」
「俺のチョコボールが食える奴なんて、この世に3人だけだぞ」
上機嫌な会長が小指と薬指と中指を立てて、ほら、と、私に見せてくるので。
分かったから、綺麗な指なのは分かったから。
と、私は近づいてくる指にさえ、赤面してしまいそうになるのを堪えている。
しかも昼食中ずっと、そこはかとない副会長と流奈さんの視線を浴び続けている。
あんなキスされたんだから、照れて当然だ。
平然としてる会長が変なんだ。
そうだ、キス魔なんだ、きっと。
バカンスでビーチでパラソルな王子にとって、キスは挨拶みたいなもの!
今朝の女の子の想像力を拝借して、ぶつぶつ呟き、自分の中で結論付ける。