イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


そんな私にお構いなく、上機嫌で饒舌な会長は、


「アイスのお礼だって」

そんなことを言って、私の口に無理矢理チョコボールを入れた。


口内に広がるイチゴ味が、あのキスの感覚をリアルに呼び覚ましてしまう。


味覚の馬鹿野郎!

イチゴ味の馬鹿野郎!


真っ赤になりながらチョコボールを咀嚼する私と、そんな私を嬉しそうに眺める会長。


やれやれ、と、副会長と流奈さんが首を横に振るのが見えた。


ちょっと待って!

ちょっと待って副会長と流奈さん!


私まで会長属性みたいにしてない?!

心外だ、心外。


私は平凡な一般人。

夏休みはバカンスとは程遠い公園でバイトに勤しむ一般庶民!


私が1人、脳内で悶絶していると。


「夏休みも終わっちゃったし、そろそろ体育祭の準備はじめないとねー」


流奈さんが、お弁当箱を片付けながら言った。

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