イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


まったく、横暴だ…。

ほだされている自分が少し、情けなくなってくる。


「体育の成績Cの未来はなに出んの?」

会長は返り討ちと言わんばかりに聞いてくる。

私の基本データで揚げ足とるのやめてほしい…。


「玉入れですけど」

呟くと、会長は眉をしかめて。


「玉入れ?」

信じられない、という顔で言った。


どうせ玉入れなんて庶民の競技だって思ってるんだ。

…一番戦力にならない人が出る競技だから、そのとおりなんだけど。


そんなことを思っていると。


チョコボールの箱をカシャカシャと動かして、宙を見つめる会長が言った。


「却下」


「へ?」

「玉入れ出るなんて、未来はアホか?」


そんな、呆れてものも言えないみたいな言い方されても、納得できない。


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