イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
□やっぱり切ない体育祭
体育祭当日の朝、ニュースの天気予報を見て、うしっと気合を入れる。
終日晴天。
洗面所で髪をお団子に結うと、さらに気合が入る。
「晴れでよかったわねー」
鏡に映る私に向かって、お母さんが言った。
「うん!」
笑顔で答えると、お母さんは眉を少し持ち上げて。
「…あんたって体育祭、苦手じゃなかったっけ」
「運動、苦手だしね…」
「でも今年は楽しみなんだ?なに出んの?」
「…玉入れしか出ないけど」
少し照れて呟くと、お母さんはケラケラ笑った。
「さっすが私の娘!玉入れ!一番しょぼいやつ」
「しょぼくてもいいの!頑張るの!」
「あーはいはい頑張って。最近あんた、楽しそうでなによりよ」
お母さんはそう言って、家を出た。
私もバタバタと準備をしてキッチンに寄り、いつもより少し大きい荷物を持って家を出た。