イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
深緑色の体操服を着た会長が、いつも通り曲がり角で待っている。
さすがに今日は寝ていない。
体操服を着ると、脚が長いのが目立つこと目立つこと。
「おはようございます」
駆けよって言うと、会長は私を見てすぐに、ばっと顔を逸らした。
「…な、なんですか?!」
「別に…」
心なしか、会長の顔が赤いような気がする。
「もしかして、熱あります?」
はっとして会長の額に手を伸ばそうとすると。
会長は顔をそむけたまま目だけで私を見て。
「あー…お前、それはやめとけ」
「え…?」
制止された私の手は宙に浮く。
「やめとけやめとけ」
会長は独り言のように言いながら、顔を片手で覆って歩きだした。
……?
私は頭にクエスチョンマークを浮かべて、会長の半歩後ろを歩いた。