イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


玉入れは白熱した。


そして自分なりに全力は尽くした。

全力は尽くしたけど、全然だめだった…。


私の玉は1つも籠に入らなかった上に、順位は5位。


散々過ぎる…。

唯一の功績は、怪我をしなかったこと。


どんだけ運動神経鈍いんだよ、私。


クラスメイトたちとグラウンドから退散する時、本部テントの方を見たけど会長の姿はなかった。


よかった、情けない姿、見られなくてすんだ…。


少しほっとしてテントに戻る道を歩いていると。


テントの群れから少し離れた物陰に、会長の姿を見つけた。

クラスメイトたちからはぐれて、駆けよると。


物陰には、もう1人誰かがいた。


私の歩みは止まる。



知らない女の人だ。



たぶん、3年生。


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