イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
用具庫の周辺には、美化委員らしき集団は見つからなかった。
俺はため息をついて、幾つもある用具庫のドアを端から順繰り開けていくはめになる。
…全然いねーな。
グラウンドには相変わらず呑気な昼の音楽が鳴っていて、生徒は楽しい昼食タイム。
俺は1人の女を探して用具庫を探検。
ため息をついて、また次の用具庫の扉を開けると。
未来の後ろ姿を、ようやく見つけた。
未来は背伸びをして、両手に抱えた玉入れの籠を少し上の棚に乗せようとしている。
俺に気づいていないらしい未来の、足元は無理な背伸びのせいでふらついていた。
未来に歩みよって、後ろから籠を棚に乗せてやると。
未来は俺を見上げて目を丸くした。
「会長…」